農業・食料ほんとうの話〔第164回〕
農と食を守る正念場
鈴木宣弘 東京大学大学院 特任教授
日本の農家も立ち上がり、3月30日にトラクター・デモを行う予定である。コメ農家も時給10円にまで落ち込むほどに追い込まれ、このまま放置したら、あと10年も待たずに日本の農家、農業・農村が崩壊し、食料自給率もさらに低下しかねない。あと5年が正念場だとの声も全国で広がっている。しかし、国の財政政策には「農業・農村振興の予算はまだ多すぎる。食料自給率向上にお金をかけるのはもったいない。輸入すればよい」といった姿勢が示されている。お金を出せば食料が輸入できる時代でなくなった中、今こそ、日本の地域コミュニティを守り、国民の食料と命を守る国民運動を広げていかねばならない。
クリックして読む