【JA実践事例紹介】支店協同活動の活性化のポイントを探る(後編)
―宮城県JA新みやぎ 地域に根ざしたストーリー性ある活動の連鎖―
西井賢悟 一般社団法人日本協同組合連携機構 主席研究員
「支店を核に、組合員・地域の課題に向き合う協同」を掲げた第26回JA全国大会(2012年)を契機として、支店協同活動は全国に一気に花開いた。この取り組みは、地域を元気にする活動、地域の役に立つ活動を展開し、そのなかでJAファンを増やすことや、組合員の「わがJA」意識を高めることを目指すものである。
支店協同活動に精力的に取り組んでいるJAから聞かれるのは、地域の人たちから「ありがとう」と言われた、若い地域住民とのつながりができた、組合員との会話が弾むようになった、活動参加者を訪問した際にJA事業の話題になった、職場の団結力が高まったなどの声である。支店協同活動は「いいことだらけ」なのである。
しかし、活動のマンネリ化や形骸化が進んでいるJAは少なくない。また、コロナ禍で活動の休止を余儀なくされ、そのまま再始動に至っていないJAも散見される。繰り返しになるが、支店協同活動は「いいことだらけ」である。それぞれのJAにおいて、改めてこの取り組みにエネルギーを注ぐことが期待される。
本稿では、宮城県内の二つのJAを事例としてとりあげる。同県では2017年度より県中央会が主催する支店協同活動コンクールが開かれるなど、県をあげてこの取り組みの活性化を目指し続けている。後編では、JA新みやぎの取り組みを見ていく。
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