【教育文化・家の光プランナー】「きっかけ」から広がる女性部活動五味広子 JA南アルプス市 営農指導部生活指導課 次長
五味広子 JA南アルプス市 営農指導部生活指導課 次長
ごみ・ひろこ/1986年旧櫛形町農協(現JA南アルプス市)入組。以降、金融共済窓口業務を中心に携わる。2017年飯野支所金融共済係長。女性部飯野支部の事務局を務める。2019年 飯野支所支所長、2021年より本所営農指導部生活指導課次長に着任、現在に至る。2021年度募集「第6回家活グランプリ」佳作入選。
JA南アルプス市は、2022年4月に山梨県内で初のフレッシュミズ組織を発足した。その立ち上げに尽力したのが、2021年に営農指導部に着任した五味広子次長。女性部事務局としての組織活性化の取り組みや工夫を聞いた。
初めての女性部事務局で奮闘
――入組以来、長年にわたり金融共済窓口業務を務められました。
長年の窓口業務では、コミュニケーションを大切にしてきました。異動になっても前の支所でお世話になった組合員が訪ねてくださったり、今でも相談の電話があったりします。覚えていてもらえることは、とても嬉しいです。
2017年に配属された飯野支部で、長いJA勤務の中で初めて女性部事務局に携わりました。始めは何もわかりませんでしたが、新しい活動を望む女性部員のみなさんの意欲に応えられるように、「お香教室」や「飾り結び教室」「ケーキ作り教室」を開催。また、部員の皆さんと、JA南アルプス市の「地元食材料理コンテスト」に出場し、見事に最優秀賞を受賞しました。さらには、その料理を教えてほしいと言われ、レシピを用いた料理教室を開催。限られた時間と予算の中で企画するのは大変でしたが、みなさんが喜んでくれる姿を見ると私もとても嬉しく、一緒に楽しむことができました。
他事業とつながり広がる活動の輪
――五味次長の第6回「家活グランプリ」佳作受賞作では、Aコープや各支所、フードバンク山梨との連携で、女性部活動の輪が広がる様子が描かれていました。
営農指導部は、生活指導・営農指導を担っています。収益の少ない部門ではありますが、農業を通じて組合員と接することで、JAの基礎となる要の部署だと思います。私はいつも、他事業につながる女性部活動を心がけています。
解散寸前にあった手芸グループでは、新聞紙エコバッグづくりをきっかけに活動が活発化し、私自身も驚くほど女性部の輪が広がりました。
また、フードバンクへの食品提供も活発です。コロナ禍の活動自粛中でもできる活動として、2021年、本格的に認定NPO法人フードバンク山梨への食品提供を開始しました。今年度からはさらに地域に密着した支援として、社会福祉協議会への食材・日常品の提供もおこなっています。こちらも、びっくりするほどの量が集まっています。
――事務局のきっかけづくりによって、部員自らが主体的に活動しているのですね。
事務局の仕事は、きっかけづくりです。さきほどお話しした手芸グループは、コロナ禍により2年間活動を停止していました。しかし、新聞紙エコバッグ教室を開くとご自宅でも積極的に作成してくださり、1000枚を超えるエコバッグをAコープに寄贈できました。みなさん、仲間とつながって活動がしたかったんだ、ということを実感しています。
県内初のフレッシュミズ組織設立
――今年4月、県内初のフレッシュミズ組織を発足されました。きっかけは、どのようなことでしたか。
生活指導課では、果樹女性講座を開講しています。受講者には若手女性農業者も多く、彼女たちとだんだん親しくなる中で「何か困っていることはある?」と尋ねたところ、返ってきた悩みの1つが「農業って孤独なんですよね」という言葉でした。20~40代が中心の彼女たちは、SNS等を通じ豊かなネットワークを築いている。そう思っていた私はこの言葉に驚き、「何とかしたい」と心を動かされました。
JAとして、彼女たちをどのように支援できるか。全国の事例を調べ、昨年度設立した他県のJAに電話をして、設立までの様子や活動内容・問題点などをお聞きしました。JA山梨中央会に相談しながら規約を決め、3月にフレッシュミズ設立説明会を開催。こちらが示した設立目的に賛否両論ありましたが、最終的に全員が賛同してくださり、その場で役員も決定しました。そして、4月に設立式を開催。メンバーとZoomでミーティングを重ね、彼女たちの熱い思いが伝わる設立式となりました。
彼女たちの活動目標は50以上にのぼり、少しずつ取り組んでいます。とても活発で、この先が楽しみです。
――女性部活動全体の展望を教えてください。
当JA女性部には加工グループがあります。これまでは夏に桃のコンポートを作るだけでしたが、豊富な果実の産地である強みを生かし、2021年から規格外品を使った加工品作り・商品化に着手しました。キウイフルーツ・柚子のドライフルーツ、キウイフルーツのコンポートを商品化でき、現在は桃・スモモの加工品開発に取り組んでいます。
収益はまだ少ないですが、加工部員へ還元しています。目標はJA直売所に女性部コーナーを設置することです。部員のみなさんの雇用へとつながることを願っています。
教育文化・家の光プランナーとして
――教育文化・家の光プランナーとして、課題としていること、また、心がけていることなどを教えてください。
女性部員、JA役職員に少しでも『家の光』を活用してもらい、さまざまな教育文化活動に取り組んでいただくことです。
当JA関係の記事は、クラウドサービスを使って常勤役員、職員へ紹介しています。女性部役員会、女性大学でも『家の光』を使った学習会、記事の紹介等をおこなっています。私の発信が皆さんの活動のきっかけづくりとなり、今以上に購読して活動してくださることを望んでいます。
まだプランナーとなって日は浅いですが、どんな活動も組合員・女性部員の皆さんと力を合わせ、自分自身も楽しみながら活動することが大切だと思っています。
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