【教育文化・家の光プランナー】共に活動して生まれる仲間意識廣瀬知志 JA福岡市 経済部食農福祉課 課長

廣瀬知志 JA福岡市 経済部食農福祉課 課長

廣瀬知志 JA福岡市 経済部食農福祉課 課長

ひろせ・ともゆき/平成5年JA福岡市入組。渉外、旅行センター、支店などの業務を経験。食農福祉課は今年で10年目となる。女性部等の組織を担当する生活係、教育文化活動を担当する教育係、西区に拠点を持つ福祉事業所、直売所と連携した食品加工係の業務を統括する。

女性部のサークル活動やみそ造り教室などが盛況に行われているJA福岡市。その組織活動や食農活動を担っているのが食農福祉課である。課長として最前線の活動に携わる廣瀬さんに、JA教育文化活動の意義や魅力を聞いた。

組合員ファーストをモットーに

――長年、JA職員として勤務されています。仕事に対する心構えについて、どんなことを重視してきましたか。

旅行センターに配属されたとき、自分には畑違いの仕事であると感じていました。しかし、当時の農協観光の課長から「組合員(参加者)に思い出に残る旅行を演出するため、つねにプロの仕事が求められる」と助言され、自分にとって初めての業務だからという甘い気持ちが吹き飛びました。以来、プロの立ち居振る舞いで、組合員ファーストの気持ちで仕事に取り組むことを肝に銘じています。

「ふれあいウォーク」は組合員との交流の場に
「ふれあいウォーク」は組合員との交流の場に

―――組合員と接するなかで、励みになったこと、印象に残っていることを教えてください。

入組して初めての大きな組織活動のイベントがフレッシュミズ大運動会でした。担当ではなかったものの支店長の指示で自己紹介も兼ねて参加しました。『家の光』の記事を活用した体操や、ムカデ競争、仮装行列など、フレッシュミズのメンバーと思いを一つに競技を行いました。組合員と人間関係(信頼関係)を築くには時間がかかりますが、活動を一緒にすることで、短時間でも“仲間意識”を築くことができたという思いがありました。

その後、支店での渉外業務や現在の女性部活動や食農教育活動においても強力な応援団になっていただいています。

JAの組織力を生かした活動を提案

――現在、教育文化活動による「循環型総合事業」を展開されています。JAでは教育文化活動をどのように位置づけていますか。

教育文化活動は、信用事業・共済事業と違い直接的な収益を生む事業ではありませんが、高齢化や世代交代並びに多様化が進む組合員の方々に「わがJA」意識を高め、組織基盤を強固にできる活動です。教育文化活動を通じて地域の方々を巻き込んでいくことにより、JAへの理解、JAファンの拡大につながる重要な取り組みと考えています。

担当課としては、「まめひめ(大豆加工指導グループ)のみそ造り教室」などのJAらしい活動を組合員(組織)が主体となり、各支店と一体となって実施できるようにサポートを行っています。支店職員もいっしょに作業することで参加者とつながりができ、JA事業にも関心を持っていただくことにつながっています。
「まめひめ先生」にみそ造りを教わった子どもたちが、農協の将来に夢を持って入組するケースもあります。

小学校で「まめひめ」がみそ造りを教える取り組みも地域に定着した
小学校で「まめひめ」のメンバーがみそ造りを教える取り組みも地域に定着した

――『家の光』を活用して、好評だった取り組みやその魅力を教えてください。

当JAでは、高齢者支援組織として「助け合い組織やまびこの会」があります。

やまびこの会では、支店で開催されるミニデイサービスや通所介護事業所「JA福岡市デイサービスセンターえがお」の介護支援を行っています。コロナ禍ではありますが、毎月スキルアップのための研修会を行い、そのなかでかならず記事活用を行っています。

『家の光』7月号記事「パーソン・センタード・ケアとは?」は、7月から再開されたデイサービス支援において、会員の認知症の理解や利用者(認知症の方)への対応方法など参考になりました。記事を活用することで、会話のきっかけをつくることができ、対話力アップにつながると感じています。

支店のミニデイサービスでは『家の光』を活用することも
支店のミニデイサービスでも『家の光』を活用している

――教育文化・家の光プランナーとして、課題としていること、また、心がけていることなどを教えてください。

教育文化活動の取り組みが、まだまだ、全職員へ浸透していないのが現状です。JA職員一人一人の意識の中に教育文化活動の取り組みが浸透していくように、JAの強み「組織の力(女性部・ボランティアグループ等)」を生かした活動の提案や仕掛けづくりを心がけています。

多彩な活動を展開するためには、組織主体で行うこと、つまり“やらされ感”のない活動にするために、事務局の仕掛け力が重要だと思います。

教育文化活動は、事業実績にすぐに結びつくものではありませんが、「協同組合らしいJAづくり」に必須の活動です。粘り強くコツコツと地道に取り組んでいきましょう。

参加者に好評な「やまびこジョワカレッジ」
参加者に好評な講座を開催

教育文化・家の光プランナーの方へのお知らせ

現役プランナーの方々を対象に、「令和4年度『教育文化・家の光プランナー』専修講座」を2022年7月19日(火)~9月30日(金)の期間でオンライン配信します。廣瀬さんも実践報告者として、具体的な教育文化活動の取り組みや進め方についてお話いただきました。まだお申し込みされていないプランナーの方は、ぜひご参加ください。

参加申し込みはこちらから

この記事をシェアする

twitter
facebook
line
ページトップへ