【協同の歴史の瞬間】
賀川豊彦の「乳と蜜の流るゝ郷」(その12)
1935(昭和10)年2月号 大塩村禁酒同盟会が発足する。
1935(昭和10)年3月号 県庁より産業組合許可書が到着し、理事会が開催される。
監修/堀越芳昭 山梨学院大学 元教授
柿ノ木の省七の家が燃えていることを確認した東助は、青年団員・処女会員とともに 火事の現場に直行し、彼らに指示を出すとともに自らも消火活動に尽力する。
省七の家の再建に向けて動き出す。東助は、青年の労力奉仕によって材料だけ本人に買わせて、上手な設計さえしてやれば立派な家が建つと考えていたが、実際にわずか一週間のうちにしっかりした家が建ったのである。省七は上棟式の折に慣例に従って酒を出したいというが、東助はこの機会に断酒会を立ち上げるべきとの思いから大塩村禁酒同盟会を発足させた。
省七の家の火事は、産業組合の設立促進にもつながった。特約組合の中心人物であった省七が産業組合設立許可書に印を押し、村長が県庁に設立許可書を提出する。付箋がついた許可書が村役場に返されてくるが、役人の想いに共鳴した東助は指示に従って字句を訂正し県庁に送付する。一週間目に産業組合許可書が送られてきた。その晩理事会が開催され、東助は専務理事に互選される。手作りの大塩村の産業組合がスタートする。
クリックして読む公開日:2024/11/01 記事ジャンル:協同の歴史の瞬間 配信月:2024年11月配信 タグ:協同の歴史 / 役職員学習